皆さんこんにちは。
あくろすです。
企業には多くの現金が余っている企業と、現金が足りていない(借入でまかなっている)企業とあるのはご存じですか?
同じ利益額でも営業キャッシュフローが多い企業と少ない企業がありますし、設備投資額が多い企業と少ない企業とがありますよね。
そういったことはキャッシュフロー分析をしなければ分かりません。
そこで人気高配当企業50社のキャッシュフローを分析して、
●増配余力が大きい企業のランキング(10年間平均)
●実際に大幅増配が期待できる企業7選
を作成しました。
フリーキャッシュフローに対して配当額はどれくらいか。
どのくらい増配ができそうなのか。
高配当投資をしていたらチェックしておきたいポイントですよね。
それではいってみましょう。
※今回ランキング作成するにあたり、銀行業とリース業の金融9社は全体のランキングから除外しました。特に銀行はその業態上、非常に大きなフリーキャッシュフローを抱えていますが、それは営業の結果稼いだというわけではなく、全て配当など株主還元してよいものではありません。そのため全体とは別にランキングしました。
【金融除く41社】ランキングトップ10
第10位 小林製薬 (4967)
10年間平均増配余力 … 151.7%
第10位から大幅増配が期待できる企業です。
小林製薬は年々フリーキャッシュフロー額が増えており、配当支払い額は明らかにそれに追いついていません。
増配余力は150%程度もあり、配当額は2倍以上に引き上げることは十分可能です。
第9位 ENEOS (5020)
10年間平均増配余力 … 153.1%
第9位はENEOSがランクイン。
業績がなかなか安定しない同社ですが、フリーキャッシュフローは意外に多いです。
業績が向上した年には増配を期待したいですね。
第8位 稲畑産業 (8098)
10年間平均増配余力 … 185.7%
第8位は稲畑産業です。
2022年に大幅増配となりましたが、近年業績の拡大とともにフリーキャッシュフローが多い年が増加。
年によってバラつきはありますが、増配余力は大きそうですね。
第7位 日本電信電話 (9432)
10年間平均増配余力 … 219.2%
第7位は日本電信電話です。
見て下さいこのフリーキャッシュフロー。
毎年現金が余りまくっています。
基本的に右肩上がりにフリーキャッシュフローが増えていますし、理想的なキャッシュフローと言えるのではないでしょうか。
間違いなく大幅増配が期待できる銘柄です。
第6位 東ソー (4042)
10年間平均増配余力 … 233.4%
第6位は東ソーです。
この10年で急速に業績を伸ばしてきた同社ですが、実はキャッシュリッチ企業。
高成長企業は設備投資負担が大きく、フリーキャッシュフローはマイナスになることが多いのですが、東ソーはそうではありません。
キャッシュが余っており、配当額は3倍とは言わないでも2倍くらいに引き上げてもよいでしょう。
第5位 伊藤忠商事 (8001)
10年間平均増配余力 … 234.5%
ここ数年で一気にフリーキャッシュフローが多くなりました。
大幅増配はすでにありましたが資源価格の高騰はしばらく続きそうなことを考えると、もう一段、二段くらいの増配は期待できそうですね。
第4位 兼松 (8020)
10年間平均増配余力 … 258.8%
第4位は兼松がランクイン。
年によってバラつきはありますが、フリーキャッシュフローがマイナスになることは少ないです。
フリーキャッシュフローが大幅に増大する年も多く、平均してみると増配余力が250%。
配当を3.5倍にまで引き上げられそうということでランクインしました。
第3位 日本製鉄 (5401)
10年間平均増配余力 … 283.6%
第3位は日本製鉄です。
2014年から2016年に大きなフリーキャッシュフローとなっていますが、これは主に資産売却によるもので、実際にはここまでの増配余力はありません。
業績と配当推移も安定していませんので、むしろ今後の減配に注意です。
第2位 内外トランスライン (9384)
10年間平均増配余力 … 315.5%
第2位は内外トランスラインです。
2022年の大きなフリーキャッシュフローが目を引きますが、それがなくてもキャッシュが余っています。
フリーキャッシュフローは高いレベルで安定していて増加傾向でもあり、かなりの増配余力がありそうです。
今後のさらなる増配に期待しましょう。
第1位 GSIクレオス (8101)
10年間平均増配余力 … 359.4%
GSIクレオス
同社はこの10年で不採算事業を整理してきました。
そのこと自体は利益の増加に現れており、非常に評価できます。
ただ、そのためにキャッシュが多くなっているので注意が必要です。
実際にはここまで増配余力があるわけではないので。
2022年のフリーキャッシュフローはマイナスになっており、守りの経営から攻めの経営に転じていますね。
今後の利益推移がどうなるか、そこが同社の注目ポイントになりそうです。
【人気高配当銘柄50社】増配余力ランキング一覧
ランキングトップ10はいかがでしたでしょうか。
こちらが全50社のランキング(金融は別)になりますが…
さすがに人気高配当銘柄だけあって、増配余力が大きい企業が多いですね。
まだまだこれらの銘柄は割安だと思うので、高配当投資の人気は続きそうです(^^)/
大幅増配が期待できる銘柄7選
ランキングでは過去に資産売却などにより大きなフリーキャッシュフローを計上している企業もあり、絶対的に正確なものではありません。
そこで50社をしっかり精査して、大幅に増配が期待銘柄を7つ選んでみました。
これらは素晴らしい企業ばかりで多額の現金が余っており、今後の増配・それも大幅増配が期待できると思います。
大幅増配期待銘柄 ランキングより5銘柄
銘柄① 東ソー
銘柄② 小林製薬
銘柄③ 伊藤忠商事
銘柄④ 内外トランスライン
銘柄⑤ 日本電信電話
ランキングトップ10から5銘柄を選びました。
これらは10年平均でみても、ここ数年のキャッシュでみても間違いなく大幅増配が期待できそうです。
大幅増配期待銘柄⑥ 三菱商事
ここ最近の資源価格高騰で大人気の商社。
ランキングでは伊藤忠商事が上ですが、長年の安定感では三菱商事の方が上です。
まあどちらも素晴らしいので、両方買っておいてよいかもしれませんね(笑)
大幅増配期待銘柄⑦ KDDI
最後に選んだのはKDDIです。
業績が安定している同社ですが、特に近年フリーキャッシュフローが多いですね。
携帯大手3社は設備投資は先にしているので、商社と同じく経営資源保有企業とみなすことができます。
これらの企業は大きな追加設備投資をしなくても多額の現金が入ってくるので、フリーキャッシュフローが多くなりがち。
こういった企業に投資をしておけば間違いなさそうです。