ほとんどの投資家は短期投資を好みます。
やっぱり楽しいので。
そして短期に売買していた方がリスクもコントロール出来るように思えてきます。
しかし、それは違います。
正しく投資をしている限り、長期投資の方がリスクは少なくなりますし、リターンも大きくなります。
それは何故か。
それでは説明していきましょう。
長期的には物事は計算した確率通りに
確率は試行回数が多いほど確率通りに
物事が起こる確率が正しく計算されている場合は、長期的に考えるとその確率に沿って物事が起こります。
例えば、正方形のサイコロを振って1の目がでる確率は6分の1(16.666‥%)であり、これは正しいと言えますよね。
このサイコロを振って実際にどれくらいの確率で1がでるかを調べるとすると、少ない回数・12回ぐらいではなかなか6分の1、またはそれに近い数字はでません。
しかし100回、1000回と回数を増やしていくと1がでる確率が6分の1にどんどん近づいていきます。
これは回数が多くなれば多くなるほど物事は確率通りに起こるため。
投資結果は期待収益率通りになるもの
これは投資でも同じことで、長期的になればなるほど確率通り、投資においては期待収益率通りの結果になります。
そこで大事なことは正しく論理的に期待収益率を計算するかということ。
十分な数の統計から正しく期待収益率を計算することが投資においては大切になります。
長期投資のメリット① 長期投資の方がリスクが少ない
リスクも含めて正しく期待収益率を計算して、長期投資した方が少ないリスクで投資をすることができます。
例えば株式投資においてはそのリスクは企業の業績悪化であり、業績が悪化すると株価が下がります。
しかしこのような業績が悪化する確率も統計がとれるので、その業績が悪化するリスクも含めて期待収益率を計算することができます。
そして複数の企業へ分散投資をすれば個別企業のリスクもなくなるので、長期的には概ね期待収益率に沿った投資収益をあげることができるというわけです。
S&P500へ投資した場合
実際にS&P500平均株価へ投資をした場合、1965年以降において投資期間が長くなればなるほど株価が下落するリスクが減少していき、11年以上投資をした場合にはどの年に投資を始めたとしても株価が下落することはありませんでした。
このS&P平均株価に投資をした場合、累計投資年ごとに投資収益率がプラスになる確率を計算しました。
例えば投資期間2年間で考えると、1971年から1973年は154ドルから156ドルへと株価が上昇しています。
1972年から1974年は株価が183ドルから115ドルへと下落しているので株価上昇回数には含めない。
このように株価上昇回数を数えていくと、投資期間が2年間では株価上昇回数は47回となり、株価上昇確率としては85.5%となります。
1年間のみ投資をした場合の株価上昇確率は78.6%であり株価下落リスクは21.4%となりますが、投資期間が長くなるにつれて株価下落リスクは低くなっていき、11年以上投資期間があると株価が下落することはありませんでした。
たとえ投資を開始した年がバブルとなっていて非常に割高な株価になっており、かつその後にバブルが崩壊して株価が下落していてもです。
基本的には株価は上昇する確率の方がはるかに高いので、長期投資になればなるほど株価上昇確率も高まるのです。
期待収益がプラスになる投資先の場合は、長期投資の方がリスクが少なくなる
言い換えるとS&P500への投資(インデックス投資)のように長期的にプラスになるような投資においては、長期投資になればなるほどその投資リスクは低くなっていき、10年を超えるような長期投資になればそのリスクはほとんどないと言える結果となりました。
正しい計算ができていれさえすれば、長期的に投資をすればするほどその期待収益率に近い投資成績を残すことができ、そのリスクも少なくすることができるのです。
長期投資のメリット② 複利の効果と相性がいい
複利とは
複利とは運用期間中に発生する利息を元本に繰り入れ、それを新しい元本とし再投資、利息を計算する方法であり、発生した利息が元本に加えられ再投資されていくので利息が利息を生んでいく。
それに対するのが単利であり、単利では利子を再投資しないので単利での利子は一定です。
単利と複利での投資結果の違い
それでは年間の投資収益率が10%の場合において、単利と複利ではどのように違ってくるのでしょうか。
20年投資した場合で考えてみましょう。
単利の場合は毎年元本100ドルの10%である10ドルが利益となります。
そして毎年の利益10ドルずつ資産が増えていくだけです。
しかし、複利の場合は投資収益にもまた利益を生み出すことにもなるので、2年目の利益は1年目の資産110ドルの10%である11ドルに。
同じく3年目には2年目の資産121ドルの10%である12ドルとなり、利益額がどんどん増えていく。
数年ではそれほど大きな違いではないものの20年目の利益は61ドルとなり、単利の10ドルと比べてなんと約6倍となっています。
このように複利は投資期間が長期になればなるほどその効果が大きくなる特性をもっており、その効果も絶大です。
まさに利益が利益を生み、莫大な利益となってくれるのです。
投資収益率が高くなればさらにその複利の効果も高まる
年間の投資収益率が20%となるとこのような資産推移に。
年間の投資収益率が20%ともなると複利の効果は絶大になります。
10%では20年目で資産が約6.7倍になっていたのに対して20%では約38倍にもなっています。
そして40年目には資産額は100ドルから146977ドルとなり、約1469倍と驚くべき数字に!
バフェットは資産を100万倍にも
しかしこれは決して絵空事ではなく、投資の神様であるウォーレン・バフェットは元の資産約10万ドルを65年かけて約1000億ドルと資産を100万倍にもすることを成功しています。
バフェットほどの運用成績を残すことは難しいとしても、S&P株価指数の投資収益率はおおよそ10%となるので、年間の投資収益率10%を超える投資成績は十分可能です。
長期運用であれば30万円を数千万円にすることも可能
例えば30万円を50年間10%で運用すると3510万円になります。
同じく30万円を15%で40年間運用すると8010万円です。
投資期間は長いものの、10%~15%の投資収益率でも十二分の投資結果が得られるのです。
この結果から長期投資と複利の相性は抜群に良いことが分かるでしょう。
短期的な投資では複利の効果を十分に発揮できませんが、長期的に投資をすることによってその投資利益は爆発的に増えていきます。
複利の効果を十分に発揮させるためにも、できるだけ長期的に運用することこそが、投資で良い成績をあげるためには必要なことなのです。